保育士になるための保育士養成校の学費、保育士として働く時の準備金、我が子の保育料などを借りられるなど、
保育士は自治体からさまざまな支援が受けられることをご存知ですか。
しかも2年以上保育所に勤務すれば返還が免除されるという実質は給付を受けられるのです。
厚生労働省の「保育士確保プラン」のもとに都道府県市町村で実施されている保育士支援制度を解説します。
この記事で解説する国と自治体の保育士支援
支援制度には、下記のものがあります。
- 未就学児をもつ保育士に対する保育料の一部貸付事業
- 保育士就職準備金貸付制度
- 保育士宿舎借り上げ支援事業
- 保育所入所における優遇措置
- 保育士修学資金貸付事業
これらを順を追って解説します。
未就学児をもつ保育士に対する保育料の一部貸付事業
未就学児をもつ保育士に対する保育料の一部貸付事業が各自治体で行われています。
保育所等に勤務することが決定した未就学児を持つ保育士や産後休暇・育児休業から復職する保育士に対し、保育料の一部を無利子で借りられる制度です。
返還免除も有ります。
詳細は、自分が住んでいる自治体のホームページを見るか、電話で問い合わせてみましょう。
「未就学児をもつ保育士に対する保育料の一部貸付事業」とは、たとえば、
さいたま市の場合
さいたま市内の保育所等に勤務することが決定した未就学児を持つ保育士さんや産後休暇・育児休業から復職する保育士さんに対し、保育料の一部を無利子でお貸しします。(返還免除有り)
【対象者】 未就学児を持つ保育士で、平成29年4月1日以降にさいたま市内の保育所等へ就職した方、又は産後休暇、育児休業から復帰する方
※ 週20時間以上勤務する必要があります。
※ 公立保育所の正規職員は対象外になります。
【貸付限度額】
利用者負担額(保育料)の半額(1月当たり最大27,000円を上限)
【貸付期間】
保育所等に勤務している期間とし、当該保育所等に勤務を開始(復帰)した日から1年間
【貸付金の返還免除】
貸付けを受けた保育士が市内の保育所等において2年以上勤務したときは、貸付金の返還の債務を免除します。
【貸付申請に必要な書類】未就学児を持つ保育士に対する保育料の一部貸付申請書申請者世帯全員の続柄記載がある住民票及び連帯保証人の住民票保育料が確認できる書類(保育所、認定こども園、又は地域型保育事業の利用者負担額決定通知書等、若しくは市町村で入所を決定していない保育施設においては、保育料が明記された契約書)の写し保育士登録証の写し雇用契約書又は採用証明書等、保育所等に従事することと規定勤務時間が分かる書類の写し職場復帰を確認できる書類の写し(産後休暇又は育児休暇から復帰する者のみ)その他、契約の相手方の選考に当たりさいたま市社会福祉協議会会長が必要と認めるもの
引用元:さいたま市社会福祉協議会
※ 申請には期限がありますので、ご注意ください。
【申請書の配布・受付】
(福)さいたま市社会福祉協議会で配布・受付中
【事業の実施形態】
さいたま市及び(福)さいたま市社会福祉協議会の協同事業
【問い合わせ先】
社会福祉法人さいたま市社会福祉協議会
〒330-0061 さいたま市浦和区常盤9-30-22 浦和ふれあい館
電話048-835-5281 Fax 048-835-5282
www.saitamashi-shakyo.jp/jigyou-syousai-hoikushi_s5.html
千葉市の場合
未就学児をもつ保育士が、保育所等に勤務することが決定した場合、当該保育士が支払うべき未就学児の保育料の一部について貸付けを行い、保育士の就職・復職支援を図ることを目的としています。
対象者
次の3つの条件をすべて満たす方が対象となります。
・未就学児をもつ保育士である方。
・市内の保育所等に新たに勤務する方。または、産休・育休から復帰する方。
・市内の保育所等に2年間継続して、週20時間以上勤務する予定である方。
(注)公立保育所に勤務する正規職員の方は対象外です。
貸付額と利子
・保育料の半額(月額2万7千円以内)
利子:無利子
貸付期間
保育士として勤務してから1年間
※ただし、産休・育休から復帰する方については、復帰した日から1年以内とします。
返還の免除
市内の保育所等で2年間継続して、週20時間以上保育士として働いた場合、返還免除となります。
実施主体および申請手続き方法などのお問い合わせ先
〒260-0844
千葉市中央区千葉寺町1208-2
千葉市ハーモニープラザ3階
社会福祉法人千葉市社会福祉協議会
電話:043-209-8884
ファックス:043-312-2442
メール:info@chiba-shakyo.jp千葉市社会福祉協議会
保育士就職準備金貸付制度
新たに保育所等へ就職する潜在保育士(保育士として勤務していない保育士資格保有者)に就職準備金を貸付けることで、保育人材の確保をすることを目的とします。
多くの自治体では1人1回限りですが最大40万円借りることができ、同自治体の保育所などで2年以上保育に従事すると返済を免除されます。
多くの自治体は最大40万円ですが、神奈川県の場合は最大20万円と自治体によって条件が異なりますので、自治体に電話で問い合わせるかホームページで調べましょう。
窓口は自治体そのものではなく「社会福祉法人 〇〇社会福祉協議会」とになっています。
保育士宿舎借り上げ支援事業
保育所が雇用する保育士用の宿舎(賃貸マンション、アパート等)の借り上げを行う民間法人等に対し、その経費の一部を補助することにより、保育人材の確保、定着及び離職防止を図るものです。
- 民間認可保育所
- 認定こども園
- 地域型保育事業
そこで働く保育士はこの支援により住まいを安く借りられることになります。
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保育所入所における優遇措置
子育て中の保育士が現場復帰をする際、自分の子どもを保育所に優先的に入所させてくれる制度です。
認可保育園、認定こども園または幼稚園に勤務する保育士・保育教諭・幼稚園教諭
月20日および週30時間以上、または週5日かつ1日6時間以上勤務する予定の人
つまり、フルタイムで働くのであれば、ほとんどの人が支援対象者となります。
保育士修学資金貸付事業
保育士になるための修学資金を貸し付け、修学を容易にし、県内の保育所等において質の高い保育士の養成・確保に資することを目的とする制度。
毎月50,000円の学費や入学準備金20万円、就職準備金20万円なども借りられ、しかも一定の条件を満たせば、返還が免除されます。
- 指定保育士養成施設に在学
- 保育士の資格取得を目指す者
- 資格取得後に自治体内の保育所等で保育士業務に従事する意思を有する者
借りられる金額と返済免除の条件
埼玉県の場合
<貸付額>
下記の金額を上限として貸し付けます。
学費 月額 50,000円
入学準備金(1年生のみ) 200,000円 ※初回の貸付時
就職準備金 200,000円 ※最終回の貸付時生活費加算 生活保護法による保護の基準のうち、申請者の居住地、年齢区分の額に相当する額
引用元 埼玉県社会福祉協議会
返還免除
指定保育士養成施設を卒業後、1年以内に保育士登録を行い、県内の保育所等の指定施設に就職し、5年間引き続き保育士業務に従事した場合。
引用元 埼玉県社会福祉協議会
東京都の場合
修学資金:月額5万円以内、総額120万円以内
入学準備金・就職準備金:各20万円以内(希望者のみ)返還免除 保育士養成施設卒業後、都内の保育所等で引き続き5年間、保育士業務に従事した場合、返還が免除されます。
引用元 東京都社会福祉協議会
神奈川県の場合
1.学費 月額 50,000円以内(修業年限内)
2.就職準備金 200,000円以内(最終回の貸付時)
3.生活費加算(月額生活保護基準居宅第1類相当額)返還免除
引用元 神奈川県社会福祉協議会
養成施設等を卒業した日から、1年以内に保育士登録をし、県内の保育所等において原則常勤職員として5年間(中高年離職者の場合は3年間)、保育または児童の保護等の業務に従事した場合、返還免除となります。
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まとめ
知っていると得をする保育士支援制度には、次のようなものがあります。
- 未就学児をもつ保育士に対する保育料の一部貸付事業
- 保育士就職準備金貸付制度
- 保育士宿舎借り上げ支援事業
- 保育所入所における優遇措置
- 保育士修学資金貸付事業
これらの制度は、あなたが条件に該当するのであれば、使わない手はありません。
細部は自治体によって異なることがあるため、あなたがお住まいの自治体、あるいは、あなたが働こうとする保育園のある自治体(正確には、社会福祉協議会)に問い合わせましょう。
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