受講料無料で「保育士養成講座」を受講する方法があるのをご存知でしょうか。
テキスト代だけ自己負担ではあるものの、専門学校に多額の授業料を払うことを考えると非常にお得な仕組みです。
この無料の「保育士養成講座」を解説します。
- 保育士資格を得るための2年間の授業料が無料
- 失業給付受給とは?
- 保育士養成講座は、どこで申し込む?
- 職業訓練を受けたら保育士になれる?
- 募集している学校 東京都 / 埼玉県
保育士資格を得るための2年間の授業料が無料
実はこれ、ハローワークで行なわれている職業訓練の1つです。
ハローワークには、失業中の人が知識や技術を身に付けて再就職を促進する職業訓練があります。
この職業訓練の中に「保育士養成講座」もあります。
職業訓練の期間は2~6か月程度のものが中心ですが、保育士の場合は2年間の訓練を行います。
この訓練は、短期大学や専門学校の空き定員を利用し、一般学生と訓練生が同じ教室で一緒に学ぶ形式の講座です。
ハローワークは、職業紹介、就職支援、就職相談などのサービスを行う厚生労働省管轄の機関です。
ハローワークは、給与から差し引かれる「雇用保険」に関する手続きや、失業中に手続することでもらえる「給付金」の受給手続きなども行っています。
受講料は無料だが自己負担となる費用
ただ、受講料は税金や雇用保険料でまかなわれるわけですから甘くなく、止む終えない事情のある場合を除き、授業への全出席が求められます。
この養成講座は、あくまで正社員就職を希望する非正規雇用労働者等が、安定した雇用環境への転換を図るための職業訓練であることは認識しておくべきです。
また受講料は無料でも、下記のような費用は自己負担であることも知っておきましょう。
- 教科書・教材
- 実習着
- 国家資格受験料(一部講座)
- 学校行事等にかかる費用や検定試験
- 模擬試験の費用
- 任意に選択科目を履修した場合の費用
また、次のようなものも自己負担となる場合がありあす。
- 補講に係る費用
- 再試験・追試験に係る費用
- 再履修に係る費用
コロナ禍などによってオンライン授業になった場合、オンライン授業に係る機材・通信費等は自己負担となります。
受講料無料、失業給付受給とは?
就職活動中の人にとって、職業訓練の最大のメリットは「無料で受講できる」ことです。
職業訓練講座は、原則無料ですが、テキスト代や実習代などの実費分のみ自己負担となります。
一定の要件を満たせば、失業給付などを受給しながら受講できます。
しかし、受講中は、当然ながら定期的な収入は得られません。
その期間中、雇用保険の基本手当(失業給付)を受給できる場合があります。
ただし、受給できる一定の要件を満たす必要がありますので、事前に確認しましょう。
「受給できる要件」とは、次のようなものです。
- 前職で雇用保険に1年以上入っていた人
- ハローワークに求職の申し込みをしている人
- 就職相談で訓練受講の指示を受けた人
- 給付できる日にちの残日数が規定以上である人
保育士養成講座は、どこで申し込む?
職業訓練に申し込むには、まずハローワークに行く必要があります。
そこで保育士になりたいので保育士養成訓練を受けたいと伝えましょう。
その際に、応募資格の有無、基本手当の対象になるかなども確認してください。
- 応募資格が自分にあることが分かったら、願書を準備します。
- ハローワークに行き、願書を提出して受付印を押してもらいます。
- 応募期間内に提出先(短大や専門学校)に持参、もしくは郵送します。(提出先は自治体によって異なりますので必ず確認してください。)
- 添付しなければならない書類もありますので、そろっているかチェックしてから提出します。
職業訓練を受けたら保育士になれる?
職業訓練のカリキュラムは、勉強する短大や専門学校などによって異なりますが、2年間の訓練を受けることで、修了時には「保育士資格」を取得できます。
また、受講先が短大であれば、別途費用が必要ではあるものの短大の学士資格も取得できる場合もあります。
訓練期間中に、キャリアコンサルティングや面接対策講座の実施、就職相談会、求人情報の提供などの就職支援も行われます。
職業訓練の訓練生は、こうした就職支援の授業にも出席する必要があります。
修了日から1か月後・3か月後の3回、就職状況を報告したり、就職後6か月を経過するまでの間、就業状況を毎月報告したりする義務も生じます。
資格を取得したら、上記のような支援に頼るだけではなく、民間企業の運営する保育士専門の求人サイトに登録して、よりよい条件の就職先を探すと良いでしょう。
募集している学校の例
いくつかの都道府県の例を紹介します。
まだ令和2年の資料が多いです。
基本的には毎年あまり変更はありませんが、情報は随時更新、追加する予定です。
詳細は、各学校、各都道府県庁、またはハローワークにお問い合わせください。
東京都
- 東京国際福祉専門学校>>>
- 日本ウェルネス保育専門学校>>>
- 総合学園ヒューマンアカデミーチャイルドケアカレッジこども保育専攻>>>
- 東京こども専門学校>>>
- 彰栄保育福祉専門学校>>>
- 公益財団法人東京 YMCA 社会体育・保育専門学校>>>
- 学研アカデミー保育士養成コース>>>
- 東京福祉保育専門学校>>>
- 東京教育専門学校>>>
- 草苑保育専門学校>>>
- 東京福祉専門学校>>>
- 東京保育医療秘書専門学校>>>
- 大原簿記公務員医療福祉保育専門学校立川校>>>
- 大原医療秘書福祉保育専門学校>>>
- 蒲田保育専門学校 >>>
- アルファ医療福祉専門学校>>>
- 日本児童教育専門学校>>>
令和3年、東京都が委託している学校の例として、東京福祉専門学校の募集要項を掲載します。
東京福祉専門学校 募集要項
募集期間 | 令和3年1月5日(火)~1月28日(木) |
面接選考予約受付期間 | 令和3年1月5日(火)~1月29日(金) • ハローワークでの訓練案内・職業訓練相談・申込受付ができるのは令和3年1月5日(火)以降です。 |
募集対象 | 保育士養成科:高校卒業以上(これに準ずる方を含む)の学歴を有する方 • その他募集対象要件の詳細は、住所地を管轄するハローワークに令和3年1月5日(火)以降にご確認ください。 |
募集学科 | 保育士養成科(2年制)/目指す国家資格:保育士 仕事内容。保育施設で預かった0歳から6歳までの子どもの保育を行います。絵本の読み聞かせをしたり歌を歌ったりして感受性を育てて子どもたちの心身の成長を促したり、食べる、眠るなどの基本的な生活習慣を身に着けていく仕事です。 |
東京福祉専門学校 公式サイト>>>
電話番号:0120-21-2323(平日および土日祝9:00〜17:30)
埼玉県
令和3年度の講座
募集期間:令和2年12月21日(月曜日)から令和3年2月12日(金曜日)必着。お住いの住所地を管轄するハローワークでの受付が必要です。
- 埼玉東萌短期大学>>> 南越谷・新越谷 10名
- 大原こども専門学校>>> 大宮 30名
- 埼玉福祉保育医療専門学校>>> 大宮 8名
- 山村学園短期大学>>> 高坂 13名
- 秋草学園短期大学>>> 航空公園・新所沢 女性限定 8名
埼玉県公式サイト>>>
神奈川県
学校法人大原学園 大原医療秘書福祉保育専門学校横浜校 こども保育学科>>>
学校法人和泉短期大学 和泉短期大学 児童福祉学科>>>
学校法人三幸学園 小田原短期大学 保育学科 【女性対象】>>>
学校法人岩谷学園 岩谷学園テクノビジネス横浜保育専門学校 保育士養成科>>>
神奈川県公式サイト>>>
千葉県
- 清和大学短期大学部 こども学科>>>
- 千葉女子専門学校 保育科 >>>
- 江戸川大学総合福祉専門学校 こども福祉学科>>>
- 成田国際福祉専門学校 保育士学科 >>>
- 千葉明徳短期大学 保育創造学科 >>>
- 植草学園短期大学 福祉学科児童障害福祉専攻 >>>
千葉県公式サイト >>>
大阪府
大阪府公式サイト>>>
京都府
京都保育福祉専門学院>>>
華頂短期大学>>>
池坊短期大学>>>
京都府公式サイト>>>
福岡県
- 純真短期大学>>>
- 大原保育医療福祉専門学校>>>
- 西日本短期大学>>>
- 近畿大学九州短期大学>>>
福岡県公式サイト>>>
北海道
- 拓殖大学北海道短期大学>>>
- 國學院大學北海道短期大学>>>
- 専門学校北海道福祉・保育大学校>>>
- せいとく介護こども福祉専門学校>>>
- 札幌こども専門学校>>>
- 経専北海道保育専門学校>>>
- 指定保育士養成施設こども學舎>>>
- 北海道医療専門学校>>>
- 函館大谷短期大学>>>
- 函館短期大学>>>
北海道公式サイト>>>
まとめ
無料で保育士資格取得の教育を受けられる国の支援策があります。
厚生労働省管轄のハローワークを通じて受講する「保育士養成講座」です。
保育士に転職したいけど、学校に通う費用が払えないという人にとって非常にありがたい施策です。
現在、保育士確保のため国は、さまざまな支援策を用意しており、「保育士養成講座」はその1つです。
申し込み手順
- 応募資格が自分にあることが分かったら、願書を準備します。
- ハローワークに行き、願書を提出して受付印を押してもらいます。
- 応募期間内に提出先(短大や専門学校)に持参、もしくは郵送します。(提出先は自治体によって異なりますので必ず確認してください。)
基本手当(失業給付)の受給を得たい場合、あなたは次の条件を満たす必要があります。
- 前職で雇用保険に1年以上入っていた人
- ハローワークに求職の申し込みをしている人
- 就職相談で訓練受講の指示を受けた人
- 給付できる日にちの残日数が規定以上である人